コラム一覧
0歳から投票権を(ドメイン投票)
ネット界隈で今話題のドメイン投票ってご存知でしょうか?
1986年にポール・ドメインという人口統計学者が提唱した投票方法のことで、生まれた直後から選挙権(投票権)が与えられるというもの。
現在の我が国の様に、高齢者が人口層の大部分を占めているとどうしても高齢者に配慮した政策が投票行動に強く影響されるのは仕方がないこと。若者が投票に行かないのも、数の上で高齢者には敵わないので投票しても無駄だ、という意見もやや納得してしまう。
しかし、わたしのような小児科医は将来活躍してくれる若者、子どもたちに配慮した政策を優先して欲しいと常々考えているので、このドメイン投票には魅力を感じます。
親がこどもに代わって投票するので子どもの数が多ければ多いほど親の影響力が増し、そういった親への配慮された政策が増えることが見込まれます。政治家の方々の活動がお年寄りより子どもの方に向けられる可能性が高くなりそうです。
両親が支持する候補者が異なる場合は、それぞれ0.5票とカウントするそうです。
良いことばかりの様な気もしますが、問題もあります。
子どもの数が多い家庭がより影響力が強くなり、子どものいない家庭への配慮が乏しくなる懸念があること、里親・養子などの制度が悪用される可能性があること、などなど。
ドイツやハンガリーでは実用される直前までいったようですが、喧喧諤諤の議論の末、頓挫したとか。現在、大阪の吉村知事が公約に掲げている様ですが、憲法改正が必要とのことでまだまだハードルは高そうです。
私は個人的にドメイン投票、賛成です。